人間の体は大体1日あたり2.5Lの水を出し入れしています。しかし、摂取した水あるいは食べ物が、私達の体の中でどのように循環しているのか?については知らない人の方が多いでしょう。
そこで、この記事では食物が消化される流れを簡単に紹介するとともに、体の中で水がどのように動いているのか?を紹介していきます。
スポンサーリンク
消化の流れ
私達の体は「口から肛門」まで1つのパイプのようなもので繋がっており、これを俗に「消化器官」と言います。消化器官の全体図は下記図表を参照して下さい。
(出展:消化器(しょうかき)の勉強をしよう。 - 宮崎大学医学部)
まず、口から食べ物を摂取しますね。口からは唾液(*1)が分泌されて取り込んだ食べ物と混ざり合い、食道を通って胃に到達します。
胃では胃液が分泌され混ざり合い、次に十二指腸へ移動して、そこで胆汁(たんじゅう)・膵液(すいえき)が混ざり、小腸へと移動します。小腸でも腸液と呼ばれる消化液とまざります。
このように、私達が口から取り込んだ食べ物は各消化器官から出てくる様々な液体(消化液)とまざり消化され、食べ物に含まれている栄養分は「小腸」で吸収されます。
消化の過程で分泌される水分量
食べ物を消化する過程で、色々な器官から色々な消化液(水分)が分泌されています。その量をまとめると以下のようになります。
- 唾液・・・約1~1.5リットル
- 胃液・・・約1~2.5リットル
- 胆汁・・・約0.3~1リットル
- 膵液・・・約0.7~2.5リットル
- 腸液・・・約3リットル
- 合計・・・約6~10.5リットル
更に、私たちは体内から分泌されるこれらの液体とは別に、1日あたり2~2.5Lの水分を毎日摂取しています(参考:1日の水分摂取量)。消化液と合計すると「約8~13L」の水分が毎日カラダの中で発生しているという事ですね。
では、私たちはこれらの水分をどこで吸収しているのでしょうか?正解は【大腸】です。ながーい小腸が終わった後の大腸で吸収しています。
そして、大腸で取り込まれた水は、血液として身体中を駆け巡ります。血液が"酸素"や"栄養分"を各細胞に届け、不要な老廃物等を受け取って捨てるという役割を担っている事は「体内における水の役割」の記事でも書きました。
濾過機能を有する腎臓を通過する水の量は180リットル!?
血液(体液)が、老廃物を受け取る働きを有すると言っても、体に害を与える可能性が有る「不要物・老廃物」は、体のどこかで濾しとる必要が有ります。その働きをしているのが【腎臓】です。
腎臓では1日になんと180Lもの水が通過すると言われています。そもそも、標準的な体重の男性でも体内に約36kgしか水が無いわけですから、腎臓では体内水分量以上の約5倍程度の水が通過している事になります。
そして、老廃物等を含む一部の水が「尿」として体外へ排出され、体の健康状態が保たれるというわけです。なお、尿として排出される水分量は1日あたり約1.2~1.5リットルで、残りの水分はまた血液循環で体内に戻されます。