ご存知のように水は「軟水」と「硬水」に分類されますが、お茶やコーヒーの味も【元となる水に何を使うのか?】によって変わってきます。
そこで、今回の記事では「お茶」や「コーヒー」に合う水について紹介していきます。
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お茶に合うのは「軟水」が多い
日本で出回っているお茶としては「日本茶」「中国茶」「紅茶」が多いので、以下ではこれらのお茶について述べていきます。
日本茶にしろ中国茶にしろ紅茶にしろ、基本的には以下の様な成分を楽しむ飲み物であると言われています。
- グルタミン酸・・・うまみ成分
- テアニン・・・甘味成分
- タンニン・・・渋み成分
加えて、茶葉には独自の香りが有りますから、これも合わせて楽しむのが基本です。
そして、一般的に「お茶類」に関しては硬度50mg/Lくらいの軟水を使うと、最もうまみを引き出してくれると言われています。と言うのも硬度が高すぎる水を使うと"渋み成分であるタンニン"が抽出されにくくなり、硬度が低すぎると香りが物足りなくなってしまうからです。
あと、お茶に関しては温度管理も重要ですね。種類にもよりますが、日本茶なら沸騰してから少し覚ました後の温度である「80度」くらいが一番美味しくなると言われますし、中国茶や紅茶は"沸騰した水"を使うほうが良いと言われています。
紅茶は軟水と硬水を使い分ける
但し、こと紅茶に関しては「軟水」と「硬水」を使い分ける人も多いようです。
以下の画像を見て下さい。こちらは「神奈川衛生研究所のHP」に掲載されていた、硬度が違う水で紅茶を入れた場合の色です。
硬度の低い軟水で紅茶を入れると、水色が淡くなっている事が分かりますね。軟水は不純物などのミネラル分が少ないので、より紅茶本来の香りや味が引き立つようになります。
一方で硬度が高い水で紅茶を入れると、上画像のように少し透明度が薄くなり、味と香りがマイルドに仕上がるようになります。
特定銘柄に焦点を当てて紹介すると、たとえば渋み成分が強いアッサムティーやウバを硬水で作ると、渋みが適度に和らぎ、マイルドな味になります。また硬水を使うと上記のように水色が濃くなるので、ミルクを加えると美味しそうな水色のミルクティーが出来ます。
他にも、ダージリンなら軟水を使ったほうが茶葉本来の味を楽しめるなんて事も言われます。
日本茶・中国茶・紅茶別の水のおすすめ硬度
お茶に関しては先程も書いたように、まずは硬度50mg/Lくらいの水から始めてみてください。あと、指針となる硬度が「知識ゼロからのミネラルウォーター入門 (幻冬舎実用書)」に記載されていましたので、そちらも紹介しておきます。
どの水を選べばよいのか分からない人は、下記硬度から始めてみては如何でしょうか☆
日本茶
- 煎茶・・・硬度約30~45mg/L
- ほうじ茶・・・硬度約20~40mg/L
- 抹茶・・・硬度約40~95mg/L
10mg/L以下のような、あまりにも硬度が低すぎる水だと、苦味や渋みが強烈になってしまうので超軟水は避けた方が無難です。
中国茶
- 烏龍茶・・・硬度約50~300mg/L
- 緑茶・・・硬度約20~40mg/L
- プーアル茶・・・硬度約20~40mg
烏龍茶は高めの硬度でも問題なく美味しく飲めます。
紅茶
- ダージリン・・・硬度約50~200mg/L
- セイロン・・・硬度約50mg/L前後
- アッサムやウバ・・・硬度約~50~100mg/L
コーヒーに合う水
では、コーヒーの場合はどうでしょうか?
コーヒーに関しては【豆】がいわゆる活性炭のような働きをして、ミネラルウォーターに含まれるミネラルを吸着してくれるので、お茶ほどに「軟水」か「硬水」かの違いによる影響は受けないと言われています。
また、軟水が合うのか硬水が合うのか?についても色々と意見が有り、絶対に軟水が良いとか硬水が良い!という事も出来ません。従って、色々と自分で試してみて最適な水を探しだすのが良いと思います。
但し、一般的なコーヒーと水の関係性を示すと以下のようになります。
(出典:知識ゼロからのミネラルウォーター入門P39)
以上より、苦いコーヒーをマイルドにしたい場合はカルシウムが多めの硬水を、苦味を更に引き出したい場合はマグネシウムが多い硬水を利用されると良いでしょう。
あと、コーヒーは豆の煎り方によっても酸味や苦味が変わりますが、酸味が強い味を好む人は軟水~中硬水当たりを選ぶと良いでしょう。
先ほど紹介した書籍「知識ゼロからのミネラルウォーター入門」に、豆毎の簡単なおすすめ硬度が記載されていましたので、こちらも参考にしてみてください。
焙煎 | 浅煎り | 深煎り |
コーヒーの種類 | アメリカンetc | エスプレッソetc |
味の好み | マイルド | ビター |
おすすめ硬度 | 硬度50~100mg/L程度の軟水 | 硬度110~180mg/L程度の中硬水 |
あとがき!
お茶やコーヒーに合う水について色々と見てきましたが、正直言って味覚は人によっても大きく異なります。また、茶葉や豆にも色々な種類が有ります。本文で書いた一般的な事を参考にしながらも、自分が一番美味しい!と感じる組み合わせを探してみてくださいね!
同じ茶葉・豆でも、使用する水によって「こんなに味が変わるの!?」なんていう発見が出来ると、それはそれで楽しいですよ♪