水道水

水道水とミネラルウォーターならどちらの安全性が高いのか?

投稿日:2016年6月9日 更新日:

水道水

水道水は危険だけどミネラルウォーターは安全!というイメージを持っている人は多いと思います。しかし、実際のところ水道水は本当に危険なのでしょうか?

いくらミネラルウォーターを飲む人が増えたといっても、日本人の飲料水の主流はまだまだ水道水です。(そもそもお金がない人は、ミネラルウォーターなんて買えません。)

そう考えると、本当に水道水が危険なのであれば大問題です。国が、水道水の安全性に対する配慮を怠っているという事ですからね。

そこで今回はミネラルウォーターと水道水、どちらの方が安全性に配慮されているのか?について調べてみました。

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ミネラルウォーター類の規格基準の原則

ミネラルウォーターの安全性は食品衛生法第11条に基づく「食品一般の製造、加工及び調理基準」で確保されており、清涼飲料水(*1)の1つとして基準が設定されています。

*1 水のみを原料とする清涼飲料水の事

なお、平成26年12月22日「食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件」(平成26年厚生労働省告示第482号)が公布された事で、ミネラルウォーター類の成分規格が新たに設定されました。これにより、従来のミネラルウォーター類の原水基準【18項目】は廃止されました。

ミネラルウォーターの銘柄選び

現状の規格基準では「ミネラルウォーター類(殺菌・除菌有)」「ミネラルウォーター類(殺菌・除菌無)」の2種類に分けて水質項目の検査内容(成分規格・製造基準)が設定されています。

詳細な規制については下記PDFから「成分規格」「製造基準」の双方をご覧いただけます。
清涼飲料水の規格について |厚生労働省
規格基準の改正については下記記事が分かりやすいです。
「清涼飲料水」の規格改正のご案内 - (財)日本食品分析センター

水道水の水質基準

水道水の水質基準は、水道法第4条に基づいて「厚生労働省令」で定められています。(衛生面が非常に重要になってくるので、食品衛生法ではなく水道法という特別な法律で規制されています。)

「厚生労働省令」って何なのか?と言うと、ここでは「水質基準に関する省令」の事を指します。

現在、水質基準に関する省令では水質基準項目として51項目が設定されています。水質基準項目として設定された項目については、水道法により検査が義務付けられます。

この51項目が水道水の安全性を左右する最も重要な基準規制です!

なお51項目の水質基準項目の他にも、水質管理上留意すべき項目として「水質管理目標設定項目(26項目)」、まだその実態が明らかになっていないが今後も情報の収集に努めていくべき項目として「要検討項目(47項目)」が設定されています。

これらを図にまとめると以下のようになります。

水道水質基準の図
(出展:水道水質基準 - 東京都水道局

ミネラルウォーターと水道水の規格を比較!安全性はどちらが高い?

ミネラルウォーター類と水道水別に求められる水質基準についてまとめてみました。

カッコ内は設定されている基準値です。何も記載がないセルは基準値の設定が行われていない事を意味します。

No 検査項目 ミネラルウォーター類(殺菌・除菌有) ミネラルウォーター類(殺菌・除菌無) 水道水
1 一般細菌
(5個/mL以下)

(100個/mL以下)

(100個/mL以下)
2 大腸菌 ○(大腸菌群が陰性であること) ○(大腸菌群が陰性であること)
(検出されないこと)
3 カドミウム及びその化合物
(0.003mg/L以下)

(0.003mg/L以下)

(0.003mg/L以下)
4 水銀及びその化合物
(0.0005mg/L以下)

(0.0005mg/L以下)

(0.0005mg/L以下)
5 セレン及びその化合物
(0.01mg/L以下)

(0.01mg/L以下)

(0.01mg/L以下)
6 鉛及びその化合物
(0.05mg/L以下)

(0.05mg/L以下)

(0.01mg/L以下)
7 ヒ素及びその化合物
(0.05mg/L以下)

(0.05mg/L以下)

(0.01mg/L以下)
8 六価クロム
(0.05mg/L以下)

(0.05mg/L以下)

(0.05mg/L以下)
9 亜硝酸態窒素
(0.04mg/L以下)
10 シアン(シアンイオン及び塩化シアン)
(0.01mg/L以下)

(0.01mg/L以下)

(0.01mg/L以下)
11 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素
(10mg/L以下)

(10mg/L以下)

(10mg/L以下)
12 フッ素及びその化合物
(2mg/L以下)

(2mg/L以下)

(0.8mg/L以下)
13 ホウ素及びその化合物
(ホウ酸として30mg/L以下)

(ホウ酸として30mg/L以下)

(1.0mg/L以下)
14 四塩化炭素
(0.002mg/L以下)

(0.002mg/L以下)
15 ジオキサン
(0.04mg/L以下)

(0.05mg/L以下)
16 シス―一・二―ジクロロエチレン及びトランス―一・二―ジクロロエチレン
(0.04mg/L以下)

(0.04mg/L以下)
17 ジクロロメタン
(0.02mg/L以下)

(0.02mg/L以下)
18 テトラクロロエチレン
(0.01mg/L以下)

(0.01mg/L以下)
19 トリクロロエチレン
(0.004mg/L以下)

(0.01mg/L以下)
20 ベンゼン
(0.01mg/L以下)

(0.01mg/L以下)
21 塩素酸 ○(0.6mg/L以下)
(0.6mg/L以下)
22 クロロ酢酸
(0.02mg/L以下)
23 クロロホルム
(0.06mg/L以下)

(0.06mg/L以下)
24 ジクロロ酢酸
(0.03mg/L以下)
25 ジブロモクロロメタン
(0.1mg/L以下)

(0.1mg/L以下)
26 臭素酸
(0.01mg/L以下)

(0.01mg/L以下)
27 総トリハロメタン
(0.1mg/L以下)

(0.1mg/L以下)
28 トリクロロ酢酸
(0.03mg/L以下)
29 ブロモジクロロメタン
(0.03mg/L以下)

(0.03mg/L以下)
30 ブロモホルム
(0.09mg/L以下)

(0.09mg/L以下)
31 ホルムアルデヒド
(0.08mg/L以下)

(0.08mg/L以下)
32 亜鉛及びその化合物
(5mg/L以下)

(5mg/L以下)

(1.0mg/L以下)
33 アルミニウム及びその化合物
(0.2mg/L以下)
34 鉄及びその化合物
(0.3mg/L以下)
35 銅及びその化合物
(1.0mg/L以下)

(1.0mg/L以下)

(1.0mg/L以下)
36 ナトリウム及びその化合物
(200mg/L以下)
37 マンガン及びその化合物
(2mg/L以下)

(2mg/L以下)

(0.05mg/L以下)
38 塩化物イオン
(200mg/L以下)
39 カルシウム、マグネシウム等(硬度)
(300mg/L以下)
40 蒸発残留物
(500mg/L以下)
41 陰イオン界面活性剤
(0.2mg/L以下)
42 ジェオスミン
(0.00001mg/L以下)
43 二―メチルイソボルネオール
(0.00001mg/L以下)
44 非イオン界面活性剤
(0.02mg/L以下)
45 フェノール類
(0.005mg/L以下)
46 有機物
(3mg/L以下)

(3mg/L以下)
47 pH値
(5.8以上8.6以下)
48
(異常でないこと)

(異常でないこと)
49 臭気
(異常でないこと)

(異常でないこと)
50 色度
(5度以下)

(5度以下)
51 濁度
(2度以下)

(2度以下)
52 バリウム
(1mg/L以下)

(1mg/L以下)
要検討項目(目標値は0.7mg/L以下)
53 亜塩素酸
(0.6mg/L以下)
水質管理目標設定項目(目標値は0.6mg/L以下)
54 残留塩素 ○(3mg/L以下) ○(水道法22条・水道法施行規則17条で0.1mg/L以上と設定されている)
55 ジクロロアセトニトリル ○(0.01mg/L以下) 水質管理目標設定項目(目標値は0.01mg/L以下)
56 1.2-ジクロロメタン ○(0.004mg/L以下) 水質管理目標設定項目(目標値は0.004mg/L以下)
57 トルエン ○(0.4mg/L以下) 水質管理目標設定項目(目標値は0.4mg/L以下)

(出展:ミネラルウォーター類は清涼飲料水の成分規格・製造基準、水道水は水質基準に関する省令が主。その他適宜補足している。)

美味しそうな水

検査項目数で比較!

ちょっと数が多くて見にくい表でしたね。水質管理目標とか一般規格なども含めて考えるとややこしくなるので、話を単純化します。以下は「ミネラルウォーター類」と「水道水」それぞれの水質基準値が定められている項目の数です。

  • ミネラルウォーター類(殺菌・除菌有)・・・39項目
  • ミネラルウォーター類(殺菌・除菌無)・・・14項目
  • 水道水・・・51項目

どうでしょうか?基準値が設定されている項目の数で言えば「水道水」がダントツで多く、水道水の安全性が最も高いと考えられます。

なお、基本的に国産のミネラルウォーターは加熱処理を含む何らかの殺菌・除菌処理をされている物が殆どなので、上記表を見る時は「ミネラルウォーター類(殺菌・除菌有)」の方を見ておけば問題ないと思います。

基準値レベルで比較!

しかし、いくら基準値の設定項目が多かったとしても、設定された基準値が緩ければ意味が無いわけで、そこまでチェックしないと「安全性が高い!」とは言えません。

そこで、いくつかの検査項目について「ミネラルウォーター類(殺菌・除菌有)」「水道水」毎の基準値を比較してみました。

検査項目 ミネラルウォーター類(殺菌・除菌有)の基準値 水道水の基準値
鉛及びその化合物 0.05mg/L以下 0.01mg/L以下
ヒ素及びその化合物 0.05mg/L以下 0.01mg/L以下
フッ素及びその化合物 2mg/L以下 0.8mg/L以下
亜鉛及びその化合物 5mg/L以下 1.0mg/L以下

えー、実は、設定項目数だけでなく、その基準値自体も水道水の方が厳しく設定される事が多いです。特に注目して欲しいのは「ヒ素」です。

ヒ素って発がん性もある非常に恐い物質なんですが(*)、水道水の基準値の方がミネラルウォーター類の基準値よりも5倍厳しい設定になっています。

* トリハロメタンよりもヒ素の発がん性の方が恐いと言われることも有ります。

言い換えると、水道水の安全性はミネラルウォーター類の安全性よりも5倍高い!という事が出来ます。

残留塩素やトリハロメタンの問題など色々安全性に関する議論がなされる水道水ですが、水質基準だけを見ればミネラルウォーターよりも厳しい管理体制が敷かれているという訳です。(むしろミネラルウォーターの管理体制がズサンともいえますが・・・。)

制度改正前のミネラルウォーター類の規格はもっと緩かった

ちなみに、改正前のミネラルウォーター類の規制項目は「○一般細菌○大腸菌群○カドミウム○水銀○セレン○鉛○バリウム○ヒ素○六価クロム○シアン○硝酸性窒素○フッ素○ホウ素○亜鉛○銅○マンガン○有機物○硫化物」の18項目だけでしか有りませんでした。

規格基準の改正に伴って、私達が普段飲用するであろう「ミネラルウォーター類(殺菌・除菌有)」に関しては検査項目が39種類(成分規格のみ)になりましたので、かなり厳しい管理体制になったと言えます。

逆に言えば、以前のミネラルウォーターの管理体制は今よりもかなり甘かった・・・という事です。

その他の疑問

水道水とミネラルウォーターの関連性等に関して、細かい疑問を以下でまとめておきます。

なぜミネラルウォーターが売れているのか?

水質基準だけを見れば、安全性は水道水のほうが高いです。しかし、なぜミネラルウォーターが売れ続けているのか?

理由は以下の2つです。

  • ①水道水は危険!ミネラルウォーターは安全!という誤解が世間に蔓延しているから。
  • ②ミネラルウォーターは味の違い等を楽しむための嗜好品という考えが日本人の中に浸透しているから

特に①の理由が大きいんじゃないでしょうか。どのメディアも水道水の危険性を声高に叫んでいますので、水道水を回避する家庭が増えても不思議では有りません。

味はミネラルウォーターの方が上!?

水道水は不味いと言われます。確かに、カルキ臭やカビ臭がひどいと飲む気が失せますよね。

しかし最近は、従来の浄水処理とは異なる、カルキ臭やカビ臭が発生しにくい"オゾン殺菌などの高度浄水処理"を取り入れている水道局も多くなっているので、一昔前と比べると水道水の味は格段に上がっているそうです。

目隠しした状態で両者を飲み比べると、どちらが水道水でどちらがミネラルウォーターか分からないレベルで水道水が美味しくなっているとも聞きます。

水道水は本当に安全なのか?

今回の記事では水質基準だけを見れば「水道水」の方が安全!と結論づけています。しかし、水道水が本当に安全かどうかは分かりません。

例えば

・水道管が腐っていたら?
・マンションの受水槽(水を貯める所)がカビだらけだったら?

等など、不安は付きまといます。そう考えると、水道水を利用する場合は浄水器等を付けたりして、ある程度の自己防衛をした方が良いのかもしれません。

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