体重の約半分以上を占めるのが水分です。体重60kgの人であれば、体の中に最低でも30kg以上の水分が含まれています。人間は水が無ければ生きていく事が出来ません。
ここでは、人間にとって、なぜそれほどまでに水が大事なのか?
「体内における水の役割・機能」から見ていきましょう。
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Contents
体内における水分の役割
体内の水分の役割として最も重要なものが以下の3つです。
- 運搬(酸素や栄養分を運び、老廃物を排出する)
- 体温調整
- 環境維持
逆に言うと、水がこれらの役割を果たしてくれるからこそ、私たちは生きていられるとも言えます。
それぞれもうちょっと詳しく見ていきますね。
運搬
体内における水の根本的な役割は「①体にとって必要な物質を溶かし、②化学反応の場を提供し、③体の隅々の細胞まで酸素と栄養素を運搬して老廃物を受け取り捨てること」です。
ちょっと分かりにくいので、上の黒字にした部分の番号別に簡単に解説します。
①体にとって必要な物質を溶かす
私達が口にした食べ物は消化管で消化されてから栄養分として吸収されますが、食べ物の成分が栄養素になる過程においても「水」が関係してきます。
実は、食べ物の成分は水(消化液)と一緒になって分解されるんです。例えば、タンパク質は水と一緒になってアミノ酸になりますし、デンプンは水と一緒になってブドウ糖になります。
そして、分解されて出来た栄養素は水に溶けて、水によって体の細部まで運搬され吸収されます。
②化学反応の場を提供
人間の体には60兆個の細胞が有りますが、細胞内では様々な化学反応が起こり、生きるために必要なエネルギーが生成されています。
私達が今こうして呼吸をして普通に生きていられるのも、体の中で行われている一つ一つの化学反応が滞り無く行われているからこそです。食べ物の消化や酸素や栄養素の運搬・吸収等にも化学反応が関わっています。
で、化学反応が行われる為には「酵素」という物質が必要になってくるのですが、酵素は水に溶けた状態でないと働いてくれません!
酵素が働かないと、化学反応が起こらないので生命活動が滞り、人間は行きていけなくなります。こういう観点からも人間にとって水は必須なのです。
③酸素や栄養分を運び、老廃物を排出する
各種の細胞に酸素と栄養素というパワーを送り込んで、エネルギーを生成してもらい、その過程で生じる老廃物・不要物を受け取り捨てる。これも水(体液)の機能です。
いくらご飯を食べて栄養素を取り込もうとした所で、水が体の隅々まで栄養素を運んでくれなければ意味が有りません。消化や吸収は、水が体全体を駆け巡るという性質が有るからこそ意味がある物になります。老廃物の受け取りも同様です。
もちろん、上記の①と②の機能がしっかり働いている事が前提ですが、この機能が無ければ私たちはすぐに死んでしまいます。
体温の調整
人間は体温を正常な範囲に抑えるために、運動や何らかの原因によって体が熱を帯びてくると、汗が蒸発する時の気化熱(*)を利用して熱を皮膚から放散します。
また水には「熱しにくく冷めにくい」という性質が有ります。人間は体の半分以上が水分で占められていますので、この性質のおかげで、寒いところでも暑いところでも、ある程度は体温を一定に保つ事が出来るのです。
水にこのような性質が無ければ、私たちはもっと簡単に死んでしまうかも知れません。
環境維持
環境維持とは新陳代謝がスムーズに行われるように、体の浸透圧やpH(ピーエイチ)を一定に保つように調節する機能の事を言います。
体液の性状が異常値を示すと様々な不快症状が発生しますので、それを抑えるためにも「水」が重要な役割を担っているのです。
まとめ
人間にとって如何に「水」が大事かという事が分かったと思います。
なお、体の半分以上が水で出来ている事も有り、普段摂取する水を変えれば心身の状態も変わるとも言われています。もし、普段飲んでいる水を変えて「健康になりたい!」とか「綺麗になりたい!」という願望が有る方は下記記事を参照してみてください。
但し、水の健康効果や美容効果に関して厚労省が認めている訳では有りません。厚労省は、人間にとって水が大事な事は認めるけど、健康効果が有るかどうかはまだ分からないというスタンスを取っています。詳細は下記記事で。