健康の為あるいは美容の為にミネラルウォーターを飲む人が非常に多くなってきました。実際、ミネラルウォーターの消費量は年々右肩上がりを続けており、この10年で消費量が10倍にもなっています。
また、何か災害等が起こった時の備蓄用の水としてミネラルウォーターを利用しているという人も多いでしょう。この記事では「ミネラルウォーターの賞味期限」について詳しく見ていきます。
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賞味期限と消費期限の違いを知る
まず、基本的な事項として「賞味期限」と「消費期限」の違いを知っておきましょう。ミネラルウォーターに設定されるのは「賞味期限」の方で「消費期限」では有りません。両者の特徴をまとめると以下のようになります。
賞味期限 | 消費期限 | |
期限を過ぎると? | 賞味期限以内に食べれば美味しく頂ける事を意味する。従って、賞味期限が過ぎても食べられない訳ではない。劣化が比較的遅い食品に使用されます。 | 消費期限を過ぎたら食べない方が良い事を意味する。劣化が比較的早い食品(おおむね5日程度で劣化するもの)に使用されます。 |
意味 | 定められた方法により保存した場合に期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す。但し、期限を過ぎたからといって品質の保持が十分に行われていない訳ではない。 | 定められた方法により保存した場合に腐敗等により安全性を欠くことが無いと認められる期限を示す。 |
表示方法 | 3ヶ月を越える場合は「年月」、3ヶ月以内のものは「年月日」で表示 | 表示方法は「年月日」で表示。 |
代表例 | ハム・ソーセージ・スナック菓子・缶詰・ミネラルウォーターなどの冷蔵や常温で保存がきく食品 | 賞味期限以外の食品。弁当や洋生菓子など保存がきかない食品に表示される |
両者のイメージ画像がこちら。
(出展:農林水産省/食品の期限表示について)
なお、いずれの場合も一度開封してしまった場合には期限に関わらず出来る限り早めに食べる必要が有ります。
ミネラルウォーターの賞味期限は1~2年程度【未開封の場合】
ミネラルウォーターの賞味期限は、ボトリングしてから平均して1年~2年程度に設定されます。以下のようにペットボトルのサイズが小さければ1年程度、大きければ2年程度という感じですね。
- 500ml前後の通常ベットボトル・・・1年程度
- 1.5L~2Lの大ペットボトル・・・2年程度
水は腐らないはずなのになぜ賞味期限が設定されているのか?
水は普通は腐りません。なぜなら、水の構成要素は水素(H2)と酸素(O)という2つの無機物だからです。これらは無機物であるため化学的に見ても腐る要素が無いからです。
"水が腐る"と言うのは、微生物が水の中のミネラル(カルシウムやマグネシウムetc)を分解した影響で嫌な匂いや雑味が発生している状態で、決して水自体が腐っている訳では有りません。
ではペットボトル入りのミネラルウォーターはどうか?
水が腐らないのであれば、賞味期限を設定する必要は無いようにも感じられますよね。また、ペットボトルで保管するのであれば空気や雑菌等もシャットアウト出来るので、その他の面でも何も問題は発生しないような気がします。
この点、ペットボトルは、強い臭いを発するものが周りに有ると、その臭いを少し通してしまうそうなんです(気体透過性が有る)。
そうなると、臭い及び風味の観点から【品質】を保持できない可能性が有るため、賞味期限が設定されているそうですよ。
なお、通常のペットボトルの賞味期限が1年で大ペットボトルが2年になっているのは、容量が少ないほどペットボトルの中身全体に及ぼす影響度が大きくなる(風味や臭いが少しの影響で変わってしまう)からです。
従って、風味や臭いを無視することが出来るのであれば賞味期限が切れたとしても、ペットボトル入りのミネラルウォーターなら飲用しても大丈夫でしょう。但し、あまりにも長期間保存しておくと、ペットボトルが劣化して細菌等が繁殖しても不思議ではないので、なるべくなら早めに飲んだ方が良いのは間違い有りません。
開封後は賞味期限に関わらずすぐに飲み切る!
ペットボトル開封後のミネラルウォーターは賞味期限に関わらず、すぐに飲み切るようにしましょう。開封イコール密閉状態では無くなっているので、隙間から空気中の雑菌や塵が混入してしまう可能性が有ります。
結果、水の中で雑菌が繁殖し衛生的に良くない状態になりますからね。
賞味期限が5年と長い備蓄用のミネラルウォーターも有る!
最近は備蓄用として賞味期限が5年に設定されているミネラルウォーターもあります。
原料としては純水が利用されている事が多いようです。ただ、純水は体に害を与えるとも言われますし、5年間備蓄が可能だと言っても"保存方法"や"保存場所"によっては、あまり良い水とは言えないかもしれません。
定期的に賞味期限を確認すると共にお金に余裕が有れば定期的に備蓄用の水も入れ替えておいた方が良いでしょう。
賞味期限切れのミネラルウォーターの使い道は生活用水!
賞味期限とは、「賞味期限内に食べれば美味しく頂ける」ことを意味します。また、各ミネラルウォーターのメーカーは商品の賞味期限を短めに設定している事が多いです。
従って、ミネラルウォーターの場合は、1週間~2週間程度賞味期限が切れていたとしても、問題なく飲料水として利用する事が可能です。(そもそも水は腐らないので1ヶ月~2ヶ月程度切れていても理論的には飲めます。)
とは言え、やはり体に取り入れるものですから、出来るだけ賞味期限が切れてしまったものは飲まずに生活用水(花壇への水やり・お皿洗い用の水・打ち水用の水etc)として利用するようにしましょう。