水・ミネラルウォーターは、その硬度によって「軟水(硬度が低い)」と「硬水(硬度が高い)」に分けられます。硬度が低いとミネラル分が少なく、硬度が高いとミネラル分が多いミネラルウォーターという事になります。
ミネラルウォーターのラベルをチェックした事が有る人なら「硬度:○○mg/L」という表示を見たことが有るのではないでしょうか?そもそも、水の硬度はミネラルウォーターのラベルに記載が有るので、別に計算式を知らなくても問題はないのですが、知っていたほうがミネラルウォーター選びが楽しくなるので(笑)、ここでは水の硬度計算式を見ていきます。
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硬度計算式
硬度とは水に含まれる"カルシウム"と"マグネシウム"の量を数値化した物です。国によって表示の仕方に違いは有りますが、日本はアメリカ基準を採用しており「1リットルあたり1度」という表示の仕方がされます。
ちなみに、日本の水道水質基準では【カルシウム、マグネシウム等(硬度)】と表記されています。
計算式は以下の通りです。
計算式から分かるように、硬度は水の中に含まれるカルシウム量とマグネシウム量を単純に合算したものでは無く、炭酸カルシウム量(CaCO3)に換算した指標です。カルシウム量は2.5倍に換算し、マグネシウム量は4.1倍に換算します。(なお、マグネシウムに関しては単純に4倍で計算しても大差有りません。)
計算実例
サンプルとして、こちらのサントリー奥大山の天然水で硬度を計算してみましょう。
計算に必要な物は
- カルシウム・・・100mlあたり0.2~0.7mg(平均値:0.45mg)
- マグネシウム・・・100mlあたり0.1~0.3mg(平均値:0.2mg)
の2つです。ミネラル量に幅がある場合は、上記のように「平均値」を求めてから計算すると楽です。(あとで割ってもOKですが)。
奥大山の天然水の硬度=(0.45×25倍)+(0.2×41倍)=19.45mg/L
栄養成分表示が100mlあたり表示だったため、25倍と41倍で計算しています。計算結果は「19.45mg/L」となり、ラベル表示の「約20mg/L(軟水)」と近似しますね。
硬度による「軟水」「硬水」の区分
続いて、硬度による「硬水」と「軟水」の区分を紹介します。日本基準とWHO(世界保健機関)で区分の仕方が異なっているので、両方紹介しておきます。
■WHO(世界保健機構)飲料水水質ガイドライン
水の分類 | 軟水 | 硬水 | ||
軟水 | 中軟水 | 硬水 | 超硬水 | |
水の硬度 | 0~60mg/L未満 | 60~120mg/L未満 | 120~180mg/L未満 | 180mg/L未満 |
WHO基準では細かく分けると4分類となります。簡単に120mg/L未満を軟水、120mg/L以上を硬水と表記することも有ります。
■日本基準
水の分類 | 軟水 | 中硬水 | 硬水 |
水の硬度 | 0~100mg/L | 101~300mg/L | 301mg/L~ |
日本基準では3区分となっています。
どちらの基準を使っても間違いではないのですが、当サイトでは「日本基準」に準じてミネラルウォーターの硬度を表示しています。
代表的なミネラルウォーターの硬度
以下、日本でも有名なミネラルウォーターの硬度を簡単に紹介します。
軟水のミネラルウォーター(0~100mg/L)
- ボルヴィック・・・約60mg/L
- サントリー奥大山の天然水・・・約20mg/L
- クリスタルガイザー・・・約38mg/L
中硬水のミネラルウォーターの(101~300mg/L)
- ヴァルス・・・約111mg/L
- サンブノア・・・約132mg/L
- サンベネデット・・・約235mg/L
硬水のミネラルウォーター(301mg/L以上)
- コントレックス・・・約1468mg/L
- エビアン・・・約304mg/L
- サンペレグリノ・・・約734mg/L
- ペリエ・・・約380mg/L
中硬水で有名な物はあまり無いかなーと思います。一番有名な中硬水としてはエビアンが挙げられるでしょうか(304mg/Lとちょっと超えてるし、上の分類でも硬水に入れていますが・・・。)
そもそもなぜ水にミネラルが含まれるのか?
水道水もミネラルウォーターも、大地に降り注いだ雨や雪が元になっています。そして、大地に降り注いだ雨や雪は、地層に浸透し、長い時間をかけて流れていきますが、この過程で、水は地層に染みこんだミネラル分を吸収します。だから水にはミネラルが含まれるのです。
一般的に、土地の起伏・水の流れが激しい(早い)日本では、地層のミネラルを吸収する時間が短くなるので軟水が多いと言われています。一方で、ヨーロッパでは、石灰岩層のなだらかな土地を時間をかけて流れていくので、ミネラル豊富な硬水になりやすいと言われています。
軟水と硬水の違い
人によって「軟水が合う・硬水が合う」と言うのはもちろん有りますが、基本的に両者に優劣は有りません。軟水と硬水それぞれの特徴を知って、自分の目的に応じて使い分けるのが得策です。
詳細は下記記事を御覧ください。