人間の体は、成人男性で約60%が水分で占められており、殆ど「水」で出来ていると言っても過言では有りません。「水」は体にとって必要不可欠なものであり、様々な働きをしてくれる物でも有ります。
この記事では、体に含まれる体内水分量や率について詳しく見ていきます。
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ライフステージ別の体内水分量・率【成人・子供・老人別etc】
人間の重量に占めるライフステージ別の体内水分率は以下のようになっています。
(画像出展:熱中症環境保健マニュアル2014のP36)
- 胎児・・・90%程度
- 新生児・・・80%程度
- 乳児・・・70%程度
- 幼児・・・65%程度
- 成人男性・・・60%程度
- 成人女性・・・55%程度
- 老人・・・50%程度
体重60kgの成人男性の体内水分量=60kg×60%=36kg
ちなみに、成人男性で60%の水分量は【血漿に5%、間質(組織)に15%、細胞内に40%】の割合で分布しています。
ご覧頂ければ分かるように、年齢を重ねるに従ってどんどん体内の水分率が減少していく事が分かりますね。赤ちゃんや子供のお肌がツルツルなのに対して、老人の肌がカサカサなのは、まさにこの体内水分率が反映された結果と言えるでしょう。
また、女性の体内水分率の方が男性のそれよりも低くなっている事が分かります。以下の部位別水分量を見ながら、その理由を検討してみましょう。
体の部位別水分量【筋肉・脂肪・血液】
体の部位別水分量を大まかに示すと以下のようになります。
- 筋肉・・・約75%
- 血液・・・約80%
- 脂肪組織・・・約10~30%
- 脳・・・約75%~80%
- 歯・・・約10%
- 目(網膜)・・・約90%
- 心臓・・・約77%
- 肺・・・約80%
- 肝臓・・・約70%
- 腎臓・・・約80%
- 皮膚・・・約70%
- 骨・・・約22%
以下クリックすると図で見れます。
加えて体内水分の約60%~70%は細胞内に貯蓄されている事も知っておきましょう!
男性より女性の水分量の方が少ない理由
女性は男性よりも「筋肉量が少なく・脂肪が多い」です。
先ほどの部位別水分率を見て貰えば分かるように、筋肉にしめる水分の割合は約75%である一方で、脂肪組織にしめる水分の割合はたったの約10%~30%しか有りません。
ちなみに、標準的な成人男性・女性の平均筋肉率と体脂肪率は以下の通りです。
種類/性別 | 女性 | 男性 |
筋肉率(出展) | 26%~27.9% | 31%~34.9% |
体脂肪率(出展) | 20~25% | 15~20% |
女性は、水分を有る程度保持できる筋肉量が男性と比べて不足している分(水分を保持量が少ない脂肪が多い分)、どうしても体内水分率の方が低くなってしまう事が分かりますね!
老人になるに連れて水分率が減っていく理由
老人になるに連れて体内の水分量は減っていきます。この理由は、年を取れば取るほど筋肉量が減少するからという理由に加えて、細胞の水分保持能力が衰えるからだと言われています。
細胞の水分保持能力の低下は老化現象の1つなので、体内水分率が減少するのも仕方無い事ですが、後述の「体内水分量を増やす方法」を参考にして、瑞々しいお肌を目指しましょう!
新生児や子供の水分量が高い理由
新生児の水分率は約80%、子供の体内水分率は約70%と、成人に比べると圧倒的に水分量が多いです。羊水たっぷりの母親の胎内から出てきた子供は、まだまだ外の環境に慣れていません。
外の環境に適応するためにも必死に成長しようとするのですが、その過程で様々な活動が行われるため、既に外の環境に慣れている成人と比べると、大量の水分が必要になるので体内水分率が高くなります。
その他の生物の水分率
ちなみに人間の体内水分量・率が異常に異常に高いわけではなく、その他の生き物も殆どが水でできています。例を挙げると、以下の様な感じ。
- 犬・・・約60%
- 猫・・・約70%
- 魚・・・約75%
- クラゲ・・・約96%
また、生き物だけでなく野菜や果物の水分率も非常に高いです。
【参考】人間の血液量はどれくらい?
体内水分率の話が出たので、人間の血液量がどれくらいなのか?も紹介しておきます。人間の血液量は概ね「体重の約13分の1」です。
従って、体重60kgの人であれば「60kg÷13=約4.6kg」が血液の量になります。ちなみに血液中に占める水の割合は約80%なので、今回の計算例では4.6kgの血液中、「3.68kg」は水分という事になります。
体内水分不足が起こるとどうなる?
体内水分の約60%程度は細胞内に保持されていますが、体内水分不足に陥ったとしても細胞内の水分は減少しません(*)。
代わりに、細胞外の部分の水(細胞間物質に含まれる水)が減少します。つまり、細胞と細胞の間に含まれる水分が減少するという事なので、肌のハリや艶がなくなり、シミが出来る原因になります。
また、健康面で見ても、水分不足は"脳梗塞"や"心筋梗塞"の原因になります。しっかりと水分補給をして体内水分量を増やすようにしましょう!
体内水分量を増やすにはどうすれば良い?
上記で見たように、体内水分の不足は美容面にも健康面にも悪影響を及ぼします。最近肌荒れがひどい!という人や健康が気になる方は、是非体内水分量を増やす努力をしてみましょう。
体内水分量を増やすためにやるべき事は以下の2つです。
- ①適度にこまめに水分を取る
- ②筋肉量を増やす
①適度に水分を取る
1日に必要な水の摂取量の目安は概ね「1.5L~2.5L」と言われていますが、1日の水分摂取量が目安に満たない人も数多くいらっしゃいます。意識して目安量を飲むようにしましょう。
また、体に吸収される水の量は30分あたりで200mlが上限とも言われていますので、一気にガブッと飲むのではなくチビリチビリと飲むようにしましょう!
②筋肉量を増やす
「体の部位別水分量」で見たように、筋肉の水分保持量は約75%と優秀です。年を取ると、脂肪が増えて筋肉が減ってくる傾向に有りますので、体内水分量を増やしたいのであれば、筋肉量が増えるように努力しましょう。(脂肪を無くす事で相対的に水分保持能力は上がりますよね。)